「記憶の断片」
私は宮城県の田舎で育ちました。小学校時代は、終戦後の荒んだ時代で、見渡す限り山と川・
田畑に囲まれ泥まみれになって朝早くから夕方暗くなるまで野山を駆け回って遊んだ時期です。
中学生になると、子供たちにも風呂焚きや牛や馬への草刈などの仕事の分担が決まっており学校
から帰ると、その仕事が毎日の日課になっていたものです。
卒業後は、各々進む道が分かれ、私は仙台に通学し、その後、町での生活をするようになり、
現在に至っております。
今では、その時代の佇まいや光景を殆ど見ることができなくなりましたが、そんな自分の人生を
思い出しながら、自作ピンホールカメラで追ってみました。
あの時代の生活や環境などの空気を断片的にでも感じていただければ幸いです。
2015年 東京新宿フォトギャラリー「シリウス」で展示したものです。
2015年5月