「みちのく風の記憶」

 

  生まれ育った「みちのく」、産土の情景を追って5年ほど前から新潟を含む

 東北7県を巡っています。2011年の東日本大震災による大津波で太平洋側の

 海岸では、記憶に残る光景を見ることができなくなりましたが、日本海側には

 子供のころ見たことがある「風の記憶」を感じることができます。

 「親不知」に見られるような日本海の荒波に洗われた岩礁や一家総出の

 船仕事、海の幸の水揚げなど、漁村ならではの光景を身近で目にする

 こともしばしばです。また、内陸部には手付かずの山や川、渓谷などの

 姿を今も残しています。そこに住む人々は素朴で、旅をする私たちを

 快く受け入れてくれ、世間話をして一時を過ごすこともあります。

 そんな住み慣れた「みちのく」を追ってみました。

                               2016年7月

 

                     日本写真協会 会員 笹﨑 正明