「白と黒の虚像―1-」

 

  

  写真でしか見ることが出来ない世界を求めて、早いもので10年が過ぎました。

 当初はピンホール写真から手掛け、何とか結果を残せるまでになり、その間も

 他の手法をずっと探していました。

 やっと見つかったのが赤外線写真です。しかし国内でフィルムを求めることは 

 困難でした。諦めかけていたところ外国製にあることを知り、早速 取り寄せ

 テストしてみましたが、データなど一切ない状態からのスタートで苦労の連続

 でした。2年ほどテスト撮影、即現像、プリントを繰り返し、自分なりのデータ

 表を作り撮影を続け、現在に至っております。

 

  可視光線と赤外線の境界といわれる760nmの赤外線フィルターを使いますので、

 肉眼では 何も見えません。フィルターを通した微量の赤外線だけでの撮影です。

 当然長時間の露光になります。 青空や水は赤外線を吸収し黒く写り、反対に 赤い 

 花や 緑の葉などは、反射してトビギミに 白く写ります。

 構図も赤外線撮影への頭の切り替えが重要になってきます。また肉眼で見た感じとは

 違った光景になります.

   作品は、白黒写真で日常肉眼で見る光景とは全く異なる異次元の幻想的な 世界へ

  導いてくれます。

 大地の光、大地の輝き、そして大地の息吹を感じて頂ければ幸いです。

        東京、 横浜、千葉及び地元仙台と新潟県を含む東北七県で撮影しました。

 

                2019年 東京新宿のフォトギャラリー「シリウス」で展示したものです。

   

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