雑誌「日本カメラ」の休刊に思う
今日(2021年4月15日)、長い歴史のある「日本カメラ」の休刊報道があった。
近年「アサヒカメラ」、「カメラマン」に続いての廃刊である。
アナログ時代のカメラメーカーの廃業、フィルムの生産中止、町の写真屋さんの廃業、
それを紙媒体していたカメラ雑誌の廃業が続いている。
確かに、ネットで写真に関する最新情報を得られるようになったため、紙媒体の情報は
鮮度的には、かなり厳しい。
また、デジタル化した情報網は、世の中を一変させてしまった。
連日のように、通販大手やクレジットカード大手の名をかたり、詐欺まがいの
メールが繰り返し届く。
それらのカードもないし、使ったこともないのに。
個人情報が既に漏れている上に、それを悪用している者がいるのだ。
これでは、安心してデジタルを利用できなくなるのではないだろうか。
国の機密情報、企業の技術情報、個人の情報等が盗まれ、ある日突然日本が他の国の
領土になっていたり、某社で開発し、製造販売計画を予定していた製品が、発表前に
全く同じ製品が他社や他国で販売されたり、個人の預貯金や財産が消えてしまったり
することも日常になってきそうな気がする。
こんなことでいいのだろうか。
世の中は便利になったが、非常に危険になってきた感じがする。
激しく変わる技術の発達の陰で、変化に対応できずに消滅していくものも
当然多くなっていく。日本カメラの休刊もその一つだろう。
フィルムからデジタル、スマホに押しやられた高級カメラ、ミラーレスにとって
代わられた一眼レフ等がこれらに類する。
昔は、写真屋という職人がいたが、出番がなくなってしまった。
またまた、昔の思い出が、どんどんなくなってしまった。
寂しい限りである。
2021年4月
公益社団法人 日本写真協会 会員 笹崎正明